今までは、車を買うためには一括払いか、分割払いしかありませんでした。
一括払いとなると、一度の負担が大きいので
月々少しずつ返済する分割払いを使用している人も多いのではないでしょうか?
しかし、最近になって新しい支払い(購入)方法ができました。
それが、残価設定ローン(クレジット)と呼ばれるものです。
一般的には略して残クレなんて呼ばれていたりもしますね。
ところで、その残クレとはどのようなものなのでしょう?
今までの支払い方法とは何が違うのでしょう?安く買えるのでしょうか?
今回は、そんな新しい購入の形「残価設定ローン」に関してです。
目次
残価設定ローンの仕組み
最近の自動車販売広告を見ると、どの広告も月々の支払い金額が設定されていませんか?
「一括だと○○万円、月々○○万円の支払い!」
のような表記です。
あれが残価設定型ローンでの購入パターンです。
その金額を見て少し気づいた方もおられるかもしれませんが、あの金額ってかなり安いですよね?
一括で払うよりも安いんじゃないの…?と思われた方もいるかもしれません。
それくらい月々の支払額が安ければ、思い切って新車を買ってしまおう!
と思われるかもしれません。
でも、なぜ残価設定ローン(残クレ)だと金額が安くなるのでしょうか?
今までの支払い方法
残価設定ローン(残クレ)の一番の特徴はその分割方法ではないでしょうか。
300万円の車を例にとって説明してみましょう。
今までの購入方法だと、300万円の車を購入するためには
- 300万円を一括支払いする
- 頭金を入れ、残り金額を分割返済する
- 全額ローンで分割返済する
といった方法でした。
この場合、一番得をするのはどのパターンでしょうか?
もちろん300万円一括払いですね。
分割払い、ローンを組むとお金を借りるわけですから金利がかかってきます。
となると、あなたは借りたお金+金利を支払わなければなりません。
金額が高くなればなるほど金利として支払う金額も大きくなるので、
できるだけ最初に頭金を入れたほうがお得に買えますね。
しかし、そのように一括払いできる人ばかりではありません。
それに、同じ車にずっと乗るわけではないので買い替えのタイミングを計算すると
どのように車を購入するのがお得なのか…
はっきりとわかりませんよね。
残価設定ローンの支払いとは
残価設定ローン(残クレ)の支払いは、さきほどの3つの選択肢の中から見ると
2番目の頭金を入れて分割払いにする方法に少し似ているかもしれません。
しかし、先ほどの頭金を入れる方法とは違い
先に分割払いをし、残り分を一括払いするか選べます。
…少し分かりにくいですよね。
ここで、先ほどの300万円の車を例に説明してみましょう。
300万円を5年間の分割払いとして考えてみると、
単純に月々5万円の返済ですね。
しかし、残価設定ローン(残クレ)の場合は「残価」というものが発生します。
例えば、300万円の車に対して30%の残価設定を行った場合
残価は90万円です。
300万円×0.3(30%)=90万円
の単純計算ですね。
残価とはその名のとおり、残す価値です。
90万円を残し、210万円をローンとして支払いするですね。
210万円の5年間(60回)ローンならば、月々の返済額は3万5千円です。
さきほどの5万円より1万5千円も安くなりましたね。
…では、残りの90万円ってどうすればいいのでしょう?
残価分の支払い方法
残価設定ローンの返済方法はいくつかあるのですが、今回は3つ紹介いたします。
- 残価分の金額をもう一度ローン組して返済する
- 最終回の支払い時に、残価分を一括返済する
- 車を返却し、残価は支払わない
この3つの方法です。
残価設定ローンは、普通のローンとは違い
ローン支払いの最後に決定する事項があるんですね。
1.残価金をローン組する
先ほどの例で説明すると、300万円の車の30%残価
つまり90万円に対してもう一度ローンを組んで支払いする方法ですね。
その車はあなたのものになりますが、もう一度ローンを組むことによって金利が発生します。
2度に分けてローンを組むことで余計な金利が加算されてしまい、損をする可能性が高いので
この方法はあまりオススメできませんね。
もし、購入する意思があるならば次の方法を取ることをオススメします。
2.残価分を一括返済する
先ほど残価として設定された90万円を最終回に一括払いする方法ですね。
もちろん、支払いをすれば車はあなたのものになりますので
車を買い取りたい方はこの方法を取ることをオススメします。
しかし、もしもあなたが最初から車を買い取る予定をしていた場合は
この方法はあまりオススメできません。
車を買い取る予定だった場合は、残価設定ローンを組むのではなく
最初に頭金として90万円を支払ったほうが得になります。
ローンの金利というのは「借りた金額」に対してかかるものです。
残価設定をしたとしても、ローン金額は300万円です。
90万円を頭金として支払い、残りをローンとして月々返済するならば
ローン額は210万円となり、金利も210万円に対しての金利となります。
300万円に対しての金利を払うのか、
210万円に対しての金利を払うのか。
この違いは大きなものです。
なので、2番のこの方法もあまりオススメの方法とは言えません…。
3.残価を支払わず、車を返却
お気づきのとおり、残価設定ローンを組む際の一番賢い方法が
この「車を返却する」方法です。
なぜ、普通のローンではなく「残価設定ローン」というものが存在するのでしょうか?
そこをしっかりと考えれば、賢い買い方が見つかりますね。
- あなたは、車を何年間乗りますか?
- あなたは、車を何のために買いますか?
こういったポイントを考えれば、賢い買い方が可能です。
残価設定ローンがオススメな人とは
残価設定ローン、先ほどの説明では損をする人までいるようでしたが
いったいどんな人にオススメなんでしょうか?
車を一定期間だけ乗る人
例えば、あなたが車好きで同じ車に長年乗るのが嫌なタイプだったとします。
新車が欲しい!
新しいモデルが出たら買い換えたい!
いろんな種類の車に乗りたい!
こんな人も多いことでしょう。
しかし、そのたびに新車を買っていたのはお金がいくらあっても足りません。
そこで残クレを利用します。
3年、5年で残クレ(残価設定ローン)を組めば
少ない返済額で新車を買うことができます。
3年経てば、車検時期になるので
そのタイミングで車を手放し、新しい車に乗り換えてもいいでしょう。
5年も経てば、新しいモデルが発売されているでしょうから
そのタイミングで次の新車に乗り換えることもできるしょう。
実際は500万円の車でも、400万円分だけの返済で乗換えが可能かもしれませんね。
小さい子供がいる家庭
僕の家がまさにこのパターンです。
まだ3歳の子供がいるので、今は大きなミニバンが必要なのですが
もともと夫婦共にミニバンがあまり好きではないので、子供が小さなときだけでいいんです。
子供が成長したら、また違う車に乗り換えるつもりでいるので
今は子供のためにミニバンに乗っています。
子供が大きくなるまでの5年間だけ残クレでローンを組んで
最終的には車を返却し、また違う車を残価設定ローンで購入する。
これが一番お得な流れかと思います。
趣味、仕事に使う車
趣味に使う場合、大きい車は必要なんだけど
そう何年も使わない…。
そんな場合が出てくるかと思います。
普通にローンを組むと、やはり返済額が大きくなるので少し躊躇してしまうでしょう。
しかし、残価設定ローンを組めば支払額も少なく抑えられますので
通常よりもお得に購入することができます。
通常のローン支払いではなかなか乗れないような車でも
残価設定ローンを組めば乗ることができますしね♪
さいごに
残価設定ローン(残クレ)は、車をお得に買える!
と思い込んでしまいがちですが、お得に買える場合と
そうではない場合があることをしっかりと理解しましょう。
あなたが車を買う場合
- 何年乗るのか
- どういった目的で購入するのか
この点はしっかりと確認してから、通常の購入方法を取るのか
残価設定ローンを組むのか判断しましょう
残価設定ローンの残価率(いくらを残価と設定するのか)は
自動車メーカー、車種、シーズンによって変動するのでしっかりと確認しましょう。