車を売る場合って必ず業者に売るとは限らないですよね。個人同士での売買、個人売買で車を売ることも可能です。
個人売買ならば、お互いの交渉がしやすいですし、仲介料などの手数料がかからないのでお互いにお得な気がしますよね。そのため、車を個人売買で売り買いする人も多いようです。一般的なオークションなどはそうですね。
しかし、個人売買をするときに注意するべきポイントもあります。知らずに個人売買をしたせいで思わぬ損害を被ることも…。
今回はそんな車の個人売買に関しての注意ポイントです。
契約がない
車を個人的に売買する際には、契約書がありませんよね?
業者に売る場合にはしっかりと契約書が作成されます。その契約書に売るとき、買うときの注意点や決まりごとが記載されているんですね。契約書を用いることによって詐欺などのトラブルを防いでいます。契約書が無ければ完全に口約束になってしまうので、金額面など後から訂正されてしまう恐れがあるんです。
その契約書のことを「売買契約書」といいます。
個人売買の際にはわざわざ契約書を作成することもあまりありませんので、しっかりと法的に守られていません。互いが話し合って納得をした状態で車を売買しているだけです。
そのため、後から「こんな話聞いてないよ!」と言われればそれで契約自体が無くなってしまいます。お金に関することなので、しっかりとしておきたいですよね。
簡易的な契約書作成を
そのため、個人売買で車を売買する場合においても簡易的でいいので売買契約書を作成しましょう。
- 車の金額
- 支払総額
- 支払期限
- 名義変更期間
- 税金の扱い
- 車検など車に付属する事柄に関して
- 注意事項
少なくともこれくらいの項目が記載された書面を作成しましょう。
その書類に
- 旧使用者(あなた)の氏名、住所、連絡先、捺印
- 新使用者(買う人)の指名、住所、連絡先、捺印
を記入しましょう。そして、この書類を売る人(あなた)が保管するようにしましょう。
ここまで記載しておけば、何かトラブルがあった際にしっかりと届け出ることができます。契約がない状態ではトラブルが起きた際に届け出たとしても証拠が無いため、解決することが難しくなってしまいます。
車を個人売買するときには、しっかりと契約内容の確認、契約書の作成を行いましょう。
名義変更が必要
個人売買で車を売却したとしても、車の「名義変更」が必要になってきます。車の名義は、誰がその車をどこで使用しているのかが確認できます。
あなたが車を売ったとして、買い手が名義変更をせずに事故や違反を犯したとすれば、あなたの元に連絡が来てしまいます。しかも、名義変更が完了されていなければ自動車税の請求まであなたの元へ来てしまいます。
他人へ売った車なのに、その後もあなたがその車の責任を負わなければいけないなんて変な話ですよね。それこそトラブルのもとになります。そのため、車を売却した場合にはちゃんと名義変更をしてもらいましょう。
名義変更は買い手が行うことが一般的ですが、旧所有者(あなた)が記入しなければいけない書類もありますので、しっかりと確認しておきましょう。
免許証のコピーを預かる
最初から相手を疑うのは良いことだとは思いませんが、車の売買にはお金の移動が発生するのでしっかりと対策を行っておきましょう。
契約書の部分でも記載しましたが、名義変更を買い手にお願いする場合にはしっかりと「名義変更の期限」を定めましょう。1週間や2週間といった期限が一般的ですね。その間に名義変更を完了してくださいね、といった決まりを作ります。名義変更が終了したら、新しい車検証が発行されますのでその車検証の写真を送ってもらって確認しましょう。
そうしなければいつまで経っても名義変更されずにダラダラと時間が過ぎてしまうことも…。
また、車を売却した時に
- 相手の連絡先
- 相手の免許証のコピー
をもらっておきましょう。
これは、嫌な話かもしれませんが「もし、名義変更が行われなかった場合に相手を突き止める」ためのものです。名義変更が完了したという連絡が無ければ、こちらから連絡することもできますし、免許証のコピーがあれば警察に届け出ることもできます。最悪の場合の手段ですが、しっかりとそういったところを確認しておきましょう。
保証金をもらう
また、もう一つの手段として「名義変更完了までの保証金」をもらうのもメジャーな方法ですね。名義変更が完了するまでの間、保証金をもらっておき、名義変更が完了したことを確認した時に返金する方法です。
例えば、あなたが車を30万円で売却したとします。そして2週間以内の名義変更をお願いしたとして3万円の保証金を受け取ります。
買い手が支払う総額は30万+3万円で33万円ですね。
名義変更が完了し、買い手が新しい車検証のコピーを送りあなたが確認すればその3万円を買い手に返却します。買い手は予定通り30万円の支払で完了できますね。
他人名義の車に乗るのは、普通ではなかなかない事ですのでしっかりと名義変更は行ってもらいましょう。そのための保険として、しっかりと決まり事を設けましょう。
諸経費の支払い
車を売却する際に必要なお金は、車の車体代金だけではありません。リサイクル預託費用というお金も発生しますし、自動車税もあります。細かいことを言えば、車検が付いている車の場合には自賠責保険の残り期間もあります。
基本的にはリサイクル預託費用は買い手が支払いますね。
でも自動車税はどうでしょうか?自動車税というと、毎年5月くらいに請求が来ますよね。自動車税は4月1日現在にその車を所有している人に支払い義務が発生します。しかも、その税金って先払いって知っていましたか?自動車税は車を所有していたことに対して課税されるのではなく、今年いっぱい車を所有することに対して課税されています。
4月1日以降に車を売却した人は所有していない車の税金を支払ったことになるのです。持ってもいない車の税金を支払ったと考えるとなんだか損した気分になりますよね。
- 名義変更にかかる手数料はどうするのか
- 陸送代金はどうするのか
- 車検残り期間分の自賠責保険はどうするのか
などなど、様々な問題が発生します。
月割り計算
車を売却する際には売る時期~3月までの期間の自動車税を請求することがあります。たいていの場合、自動車税を月割りにして金額を計算します。
例えば税金が51,000円のクラウンを10月に売ったとします。あなたは前の5月に51,000円の税金を支払っています。買い手に残り期間6ヶ月間(10月~3月)の税金を請求します。
51,000÷12=4,250
4,250×6=25,500
25,500円を買い手に請求することができます。その期間は買い手がその車に乗るわけですからね。
このように、かかる費用を月割計算してあげればお互いに平等になりますのでトラブルを防げますね。
こういった諸経費に関しても最初の売買契約書にしっかりと記載しておくことをおすすめします。
決まり事を明確に!
車を売る、買うというのはお互いにとって大きなイベントになるでしょう。だからこそ、スムーズに、穏便に済ませたいものですよね。その方が双方が気持ちよく取引できます。
気持ちの良い取引を行うためにもしっかりと決まり事を明確にしておきましょう。